その式、本当に1セルで書く必要ありますか?
業務でよく見かけるのが、
「とにかく1セルで完結させた数式」です。
IFもVLOOKUPもSUMIFSも、
全部まとめて1つのセルに詰め込む。
一見すると、
・セルが少なくてスッキリ
・高度なことをしている感じがする
・できる人っぽい
しかし数か月後、こうなります。
「この式、誰も触れない。」
実は、1セル完結は
“読めないExcel”を生む最大の原因です。
なぜ1セル完結は危険なのか
① 役割が混ざる
例えばこんな式。
=IF(A2="A",
VLOOKUP(B2,$F$2:$G$10,2,FALSE)*1.1,
VLOOKUP(B2,$F$2:$G$10,2,FALSE))
この式には
・条件判定
・単価取得
・計算処理
すべてが入っています。
何をしているのか理解するには、
頭の中で分解する必要があります。
読む人に負担をかける設計です。
② 修正箇所が分かりにくい
例えば
「Aのときの倍率を1.2に変更して」
と言われた場合。
式のどこを触るのか、一瞬で分かりますか?
さらに条件が増えたらどうなるか。
ネストが増え、
カッコが増え、
スクロールが必要になります。
修正のたびにリスクが高まります。
③ 引き継ぎができない
実務で一番問題なのはこれです。
自分しか触れないExcelになること。
1セル完結の式は、
書いた本人しか理解できないことが多い。
引き継ぎのときにこう言われます。
「シートは分かるけど、この式が怖い。」
これでは業務改善とは言えません。
改善方法:分解する
解決策はシンプルです。
1セル1役割にする。
例えば先ほどの式を分解します。
B列:単価取得
=VLOOKUP(B2,$F$2:$G$10,2,FALSE)
C列:倍率判定
=IF(A2="A",1.1,1)
D列:最終計算
=B2*C2
これだけで、
・式が短くなる
・役割が明確になる
・修正が楽になる
一気に“読めるExcel”になります。
1セル完結にしないメリット
✔ 修正が安全になる
✔ 他人が理解できる
✔ エラー箇所を特定しやすい
✔ 将来の変更に強い
Excelは「賢く見せるツール」ではありません。
再現性を持たせるツールです。
実務で覚えておきたい基準
迷ったら、この基準を使ってください。
- ネストが3段を超えたら分解
- 2種類以上の処理が入っていたら分解
- 他人が説明なしで理解できないなら分解
1セル完結は、
“設計を後回しにした結果”です。
まとめ
1セル完結は、一見きれいに見えます。
しかし実務では、
・修正に弱い
・引き継ぎに弱い
・ミスが起きやすい
という欠点があります。
Excelは
「短い式」よりも
「読める構造」が重要です。
もし今、複雑な式を書いているなら、
一度分解してみてください。
それだけで、
あなたのExcelは一段レベルが上がります。




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